「いやな感じ」の感想
いやな感じ
いやなかんじ
初出:「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

高見順

分量:約747
書き出し:第一章その一魔窟の女暗い踏切の手前で円タクをとめた。旦那《だんな》、お楽しみですねと若い運転手がにやにやしながら、釣り銭を出した。なに、言ってやがると砂馬慷一《すなまこういち》はその小ぜにをひったくるようにした。道路の向うを汽車の線路が横断している。旧式の機関車がその道路の真中に立ちはだかって、老いぼれの喘息病《ぜんそくや》みみたいに、ゼーゼーと白い息を吐いている。市外の、ここは場末のどん尻だ。歩...
更新日: 2025/05/21
65c8aadc88adさんの感想

双之川喜1941  斬首の 情景 描写が 我慢 ならない ほど 残虐 無比で 反射過敏の 身としては 耐えがたい ものが あった。表題は  その 生々しい ありさまを 指しているけど 嫌な 感じで すますのは いかがな ものかと つくづく 想った。読むべき ではないとも 感じた。

更新日: 2022/07/03
4a359431673dさんの感想

永井荷風いとこ 高見恭子娘(旦那馳浩) 野村萬斎いとこの孫

更新日: 2021/08/19
ハルチロさんの感想

本作品は、一人のアナーキストの半生を描いた活劇と言える作品を表面にしているが、裏面で戦前から日中戦争突入までの時代の日本の社会思想史や当時の軍国主義化への裏事情、中国侵攻の本音を描いています。近代日本史の有用な資料と言える作品だと思います。この作品を著せたのは、作者の生い立ちや主義者としての活動経験が、背景にあるからでしょう。読みごたえのある文章量ですが、読み続けるのに苦痛を感じさせない話の展開が素晴らしいと思います。日本の近代思想史に興味のある方や戦前の冒険活劇に興味のある方は、是非ご覧いただきたい作品かと思います。文中に生々しい描写が、幾つか出てきます。しかし、これが戦前、戦中の裏社会の一面と認識し、受け止めていく必要があると思います。