雙之川喜1941 英国の 初夏に 白い ローソクの ような 花を つけた 樹が 咲く。英国では これを ホースナッツ ツリーと 呼んでいる。パリの マロニエの 花の 下で パリ娘と いい仲に なるのを 夢見ていた 青年が パリで 目にしたのは 何のことはない マロニエは ホースナッツ ツリーの ことだった。ところ かわれば 呼称も 変わる。
イギリスの青年はフランスのマロニエの木の花と彼の地での恋にあこがれている。それに比べて自国のホースナッツの木の花はなんて野暮なんだろうかと。然しフランスに渡ってみてそれは同じ木だと分かる。憧れってこういうものかもというお話。