「マロニエの花」の感想
マロニエの花
マロニエのはな
初出:「週刊朝日」1933(昭和8)年5月28日

岡本かの子

分量:約2
書き出し:父親が英国好きの銀行家であるために初め一年間はぜひともロンドンに住み、それからあとは目的のパリ留学に向わして貰える約束を持った青年画家があった。いやいや住んでいるものだからいつもロンドンからパリに行くことをあこがれていた。その画家はパリにあこがれるのによくこういう言葉を使った。——おおマロニエの花よ」そしてその花の咲くころその花の下で純なパリ娘と恋をするのだと楽しんでいた。イギリスの初夏。公園や会...
更新日: 2025/03/06
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  英国の 初夏に 白い ローソクの ような 花を つけた 樹が 咲く。英国では これを ホースナッツ ツリーと 呼んでいる。パリの マロニエの 花の 下で パリ娘と いい仲に なるのを 夢見ていた 青年が  パリで 目にしたのは 何のことはない マロニエは ホースナッツ ツリーの ことだった。ところ かわれば 呼称も 変わる。

更新日: 2022/02/25
阿波のケンさん36さんの感想

イギリスの青年はフランスのマロニエの木の花と彼の地での恋にあこがれている。それに比べて自国のホースナッツの木の花はなんて野暮なんだろうかと。然しフランスに渡ってみてそれは同じ木だと分かる。憧れってこういうものかもというお話。