「橋」の感想
はし
初出:「新潮」1933(昭和8)年5月号

岡本かの子

分量:約5
書き出し:こどものときから妙に橋というものが好きだった。こちらの岸からあちらの岸へ人工の仕掛けで渡って行ける。そういった人間の原始的功利の考えがこどもの好奇心の頭を擡《もた》げさせやすいのかとも考える。しかしそれならなんの履物《はきもの》ででもあれ、その上を渡りさえすれば気が済む筈である。だが私の場合は違っていた。どの橋でも真新らしい日和下駄《ひよりげた》の前を橋板に突き当てて、こんと音をさせ、その拍子に後...
更新日: 2025/05/22
65c8aadc88adさんの感想

双之川喜1941  ヴエニスの 反り返った 橋を 日本から 持参した 日和下駄に わざわざ 履き替えて 渡って見る。石だたみの 音が 跳ね 返る。感慨 一塩の ようで ある。

更新日: 2022/05/01
阿波のケンさんさんの感想

作者は木の橋で鳴る日和下駄の音が堪らなく好きらしい。道が木や地道ならいいがコンクリートとなると頭に響いて辛抱出来ない。世の中は上手く回っているのかも知れない。