「動かぬ女」の感想
動かぬ女
うごかぬおんな
初出:「国民新聞」1921(大正10)年1月7日

岡本かの子

分量:約5
書き出し:私達が、小田原から、熱海行きの、軽便鉄道に乗り込んだ時も、その一行と一緒になった。その一行は、新橋から発った私達の二等車へ品川あたりから、始めて入って来た人達であった。重厚な顔付をして、堅く洋服に身を包んだ老紳士のあとに高貴な衣服の裾《すそ》を捌《さば》いて四十先位いな夫人らしい女が続き、次に青いショールをした十九か二十程の令嬢、その後に令嬢の長い袖《たもと》を、支える様にして腰元と見える黄色く骨...
更新日: 2022/02/25
阿波のケンさん36さんの感想

主人公と汽車で一緒になった紳士一家の観察記。伊豆の明るい日差しの中の印象だ。作者は自分の過去をその一家に見いだしていた様に思われる。