「私の思い出」の感想
私の思い出
わたしのおもいで
初出:「ことたま」日本出版広告社、1954(昭和29)年8月

柳原白蓮

分量:約10
書き出し:歴史は繰り返すと申しますが、つくづくと考えてみますと、私の生まれる少し前と現代とが、不思議なほどよく似ていると思うのです。徳川三〇〇年の幕府《ばくふ》が倒れて多くの大名《だいみょう》が、それぞれ国境を撤廃《てっぱい》してめいめいが持っていた侍《さむらい》すなわち、軍隊をやめ、両刀をなくしたことはつまり軍備をすててしまって日本という一つの国に統一しました。これで国内の平和は完全なものとなりました。そ...
更新日: 2023/04/02
0de6c208d84aさんの感想

花子とアンが大好きな私。ドラマと白蓮自身の書いたこのエッセイでは設定に違いはあるけれど、自分の生を生き抜くために新しい伴侶とともに家を捨てたことは同じだと思った。

更新日: 2022/03/05
cdd6f53e9284さんの感想

少し前の新聞に、講談師·神田紅が、持ちネタ(言い方がこれでいいのかは不明)の「柳原白蓮」について記事がでていたので、ずっと気になっていた。 人物について無知なうえに、その講談が扱っている事件も皆目知らなかったので、それが気になっていた最も大きな原因だったかもしれない。 その記事によると、講談師として自分が行き詰まったときなどに節目で演じている大切な演目だと、「柳原白蓮」を紹介していた。 それだけ大切にしている演目ということだ。 しかし、そもそも、自分は柳原白蓮なる人物をよく知らないので、新聞に載っていた略歴を写しておいた。 見出しは、「歌人·筑紫の女王 柳原白蓮(1885~1967)」 すごい見出しだ、自分の事ではないのだが、入力のために字を選んでいるうちに、なんだか気恥ずかしくなってきた、なんかおかしな感覚だ。 もしかしたら、おれは華族なのかもしれない、という気がしてくる。 妄想だと分かっていながら、思考の彷徨に身をゆだねる快楽を断つことが、どうしてもできない。 皇族も人材不足らしいから、もしかしたら、もぐり込むチャンスがめぐってこないとも限らない、あのジゴロ野郎だって、もうすこしで皇族に手が届きそうだったではないか。 殿下、こなたに、ござっしゃりませ。 あいよ、こちらかえ。 てなことを言うのだろうか、なんか、考えているだけで楽しい。 いや、待て、不敬罪で捕まらないうちに、この話は、これでやめておく。 つまり、いわゆる「もとい!」だ。 おれは、なにをしていた、ん? あっ、そうそう、略歴を写しているところだった、うっかり忘れてた。 なになに 柳原白蓮、本名·あき子(火偏に華やか、あちら系の難しい字だ、スマホじゃ到底出せそうにない、だいたい、こんな字を誰か一発で出せる奴がいるのか、出てこい! しまった、また横道に逸れた、今日は暇だから全然構わないが、元に戻ろう)  伯爵家に生まれ、縁戚の子爵家に嫁いだが、離婚。 1911年に伊藤伝右衛門と再婚し、福岡県に移った。 そこで歌人としての才能を開花させ「筑紫の女王」と呼ばれた(出た! これだ)。 宮崎龍介と駆け落ちした後、東京で暮らす。 龍介との間に生まれた息子を戦争で亡くし、戦後は「国際悲母の会」を結成して平和活動に従事した。 歌集に「踏絵」「紫の梅」「地平線」など。 なるほど、だいたい分かった。 しかし、人生、こんなふうに簡単に分かられたら堪らんけどね。 でも、とにかく、分かったのだから仕方がない。 そこで、初めて本文を読んでみて、なおさら彼女の人生が分かった、気がする。 まあ、ざっくり言って、九州の亭主は金を持っているのに、ケチの締まり屋で、満足な小遣いも呉れやがらない、どうしても足りなくてオネダリすると、証文を書かされて、きっちり返済を迫るむかつく野郎な·の·で、腹いせに若い男を引っ掛けて駆け落ちした、まあ、だいたい、こんなところ、分かったか、ざまあみろ、という気持ちだったのかな。 でも、この文を読んで、事実は意外にセコイ動機で、面当ての駆け落ちだったりするという辺りにも、なんだか少しガッカリしたかも。 世間知らずのお嬢様バーサス田舎者の成金野郎、こう一言でスッキリ言ってしまえば、金だけで繋がっていた関係に過ぎなかったのだから、この駆け落ち事件を純愛の方向で過剰に膨らました映画「麗人」は、むしろ庶民の、こうあってほしいという夢みたいなものだったかもしれない、にしても、小遣い増額しときゃあ、浮気されずにすんだんちゃうのという程度の低次元で単純な夫婦喧嘩に過ぎなかったんじゃ、やっぱ、かたなしだものね。 しかし、たちが悪かったのは、彼女が伯爵のお嬢様でめちゃくちゃ美形だったという点で、世間が放っとかなかった。 なにしろ、社会の上昇気流に乗っている連中のアイテムは、身分か美形か金のどれかで、すべてが揃っていたら、とにかく無敵ですから。 まあ、いずれにしても庶民の憧れだわな。

更新日: 2018/01/06
芦屋のまーちゃんさんの感想

運命を信じます という言葉だけはシンパシーを感じます

更新日: 2018/01/04
8a350316ecc8さんの感想

出典の「ことたま」は、白蓮さんの娘の宮崎蕗苳さんの編集で、今でも毎月発行されてます。本稿は、白蓮さんの生の言葉が語られてて興味深い。短歌集も読みたいな。