「断崖」の感想
断崖
だんがい
初出:「報知新聞」報知新聞社、1950(昭和25)年3月1日~12日

江戸川乱歩

分量:約34
書き出し:春、K温泉から山路をのぼること一|哩《り》、はるか眼の下に渓流《けいりゅう》をのぞむ断崖の上、自然石のベンチに肩をならべて男女が語りあっていた。男は二十七八歳、女はそれより二つ三つ年上、二人とも温泉宿のゆかたに丹前《たんぜん》をかさねている。女「たえず思いだしていながら、話せないっていうのは、息ぐるしいものね。あれからもうずいぶんになるのに、あたしたち一度も、あの時のこと話しあっていないでしょう。...
更新日: 2024/11/17
f127342248f0さんの感想

面白かった‥‥ 想像以上に面白かったです。 疑心暗鬼 人間不信 絶対不信を書かせたら乱歩先生に敵うわけないですね。読者の想定も裏切られ続けます。 ピロートークかと思いこんでたら崖だった(断崖よ) 絵画的だ 美しい・・・名文だ 乱歩さん好みの女性か モノクロ映画も思わせる ヒッチコックも崖の映画あったな インスパイアあるか バーグマンたすグレース・ケリーわる2の感じ? 夫人は「眼」探偵 強いな

更新日: 2020/05/11
D@梟さんの感想

断崖の上、男女が騙りあい、探りあい、心の読みあい。 面白くて一気読みしちゃった笑

更新日: 2019/07/26
233488683e8fさんの感想

他者から受ける全幅の愛情で、言い知れぬ心のすき間を埋めんとするのが人のサガですが、性善でなく最善欲求の生き物であるが為、詐術や無知や誤認によって関係は交わされる。人間不信よりは前提として崩れやすい信頼関係と知る。この作品は殺人によって関係は終末するが、これこそが孤独の終局。向き合わざる得ない現実であるような気がしてならない。

更新日: 2019/03/18
682b0d62cb28さんの感想

正当防衛その裏にあるものは?日本の何処かでこういう事はあるのかも知れないと思わせる話