初めて読んだのは小学生の時でした。 とても子どもが読む内容ではありませんが、想像力だけは一丁前な子どもを乱歩の文は魅了しました。 とあるシーンが忘れられず、また時を経て読み返してみましたが、良いものは幾つになって読んでも素晴らしい。 幻想怪奇の世界が広がり、おぞましい犯罪者たちが交錯し、明智の登場で破滅的な現実へと収束する。まさに現し世と夜の夢の狭間のような作品だと思いました。 ボリュームはありますが、連載だったこともあって章立てられているので読みやすいです。 乱歩の長編では本作が一番好きです。