「客ぎらい」の感想
客ぎらい
きゃくぎらい
初出:「文学の世界」1948(昭和23)年10月号

谷崎潤一郎

分量:約18
書き出し:○たしか寺田寅彦氏の随筆に、猫のしっぽのことを書いたものがあって、猫にあゝ云うしっぽがあるのは何の用をなすのか分らない、全くあれは無用の長物のように見える、人間の体にあんな邪魔物が附いていないのは仕合せだ、と云うようなことが書いてあるのを読んだことがあるが、私はそれと反対で、自分にもあゝ云う便利なものがあったならば、と思うことがしば/\である。猫好きの人は誰でも知っているように、猫は飼主から名を呼...
更新日: 2020/11/20
しいたけさんの感想

分量で読了時間表示してくれるのありがたい! スッと読めそうなものとして20分と書いてあったこれを選んだ。初めて読んだ谷崎潤一郎がこれなのどうなのよと思ったけど、良い感じだったな。最近読んだ群ようこのまあまあな日々にそっくり。文句の増えた普通の老人なんだけど優れた文章力がそれを愉快に、小気味よくしていて読んでてクスッとかニヤニヤ笑っちゃう。谷崎潤一郎、普通の気難しい老人だったんだなぁ。可愛いと思う半面、周りの苦労が目に浮かぶ。合掌。

更新日: 2020/10/21
decc031a3fabさんの感想

歳を取ると生きるエネルギーが、外から内向きに変化するように思う。終戦から3年後も、令和でも、人間は変わりようがないんだなあ。