佐藤春夫
芥川は 容易に胸襟(きょうきん)を開くことのできない人で あったという。 芥川は 自ら 見栄坊(みえぼう)であることを 自認していたようだ。 いつも 窮屈(きゅうくつ)なチョッキを 着込んでいるような 厄介(やっかい)な気質を 生まれながらにして 負わせられていた 彼自身が 身をもって 表現したのが 自死であったとも 言えると 感じた。