「早稲田大学」の感想
早稲田大学
わせだだいがく
初出:「早稻田大學」文藝春秋新社、1953(昭和28)年10月20日

尾崎士郎

分量:約95
書き出し:1新秋の一日、——私は大隈《おおくま》会館の庭園の中を歩いていた。午後の空が曇っているせいか、手入れの行きとどいた庭園でありながら、何となく荒廃したかんじが視野の中にあふれている。昔は樹立のふかい、雅趣のゆたかな庭であった。時代とともに錆びついた色彩が、チラチラと記憶の底からよみがえってくるだけに、今はあとかたもなく変りはてた、がらんどうの広場をゆびさしながら、此処が昔は落葉に埋もれたほそい道で、...
更新日: 2023/09/22
00813f8b221dさんの感想

早稲田大学というタイトルではあるが、話の後半は政界に復帰した大隈重信が外務大臣として条約改正に取り組む内容。って早稲田関係ないじゃん。 尾崎が早大を中退する原因となった早稲田騒動について何か書かれてるかと期待したら、全く書かれてなくてがっかりした。 ただ、入学式の祝辞でウェリントンを失念し、祝辞の最中にもかかわらず確認を取る大隈爺ちゃんは微笑ましかった。 こういうエピソードがもっと読みたかった。