「趣味の修養」の感想
趣味の修養
しゅみのしゅうよう
初出:「興風」1922(大正11)年8月

会津八一

分量:約10
書き出し:何處までも/\芋畑や雜木林ばかりで退屈な汽車の窓に、小ぢんまりとした木立が見えて、それが近づくにつれて庭には草花が綺麗に咲かせてあつて、その中に白い鷄が遊んで居る、家の造りも面白い、こんな時に、飛ぶやうに通り過ぎて行く旅人の目にも、先づ床しいものは其家の主人である。また裏長屋の軒竝を歩いて居るうちに、不圖ある家の窓から床の間の一軸、それが名も無い畫家の作であるかも知れぬ、その前に活けてある花瓶が市...
更新日: 2021/11/28
e4c0eb387665さんの感想

全くお説の通り、現代日本もほとんど変化していない。つまり江戸時代の鎖国政策幕藩体制から引き摺る習俗とでも言うような不思議な日本人の暮らしは、上から吊り下がる糸にぶら下がり横に繋がる広がりを見せず、限りなく矮小化を遂げているのを見る思いもする。他者、異種を受け容れること能わずの世代間ギャップがこんな昔からあったとはいやはや先達の炯眼に拝礼したいと思うものであった。よくぞこの一文をアップして頂いたものだと感激する。