「母の叫び」の感想
母の叫び
ははのさけび
初出:「赤い銃火〔詩・パンフレット第一輯〕」日本プロレタリア作家同盟出版部、1932(昭和7)年4月20日

中野鈴子

分量:約2
書き出し:母の叫び中野鈴子行ってしまったもう煙も見えない息子を乗せた汽車は行ってしまった剣を抜いて待ちかまえている耳や手足の指がくさって落ちるというそんな寒い戦場の×煙の中へ息子の汽車は走って行った生きて帰るようなことはあるまい汽車の窓のあの泣き笑いがおあれがあの子の見おさめなのか親一人子一人の暮らしであの子は毎晩わたしの夜具の裾をたたいてくれたいつもやさしい笑顔で働いてくれたああわたしを大事にしてくれたあ...
更新日: 2019/02/10
4abeb96308c7さんの感想

全てを自分の中にしまい込んで 何か言ったとて誰も耳を傾けない、何も変わらないと だから、自分で解決できることだけに向き合おうと それでも何かを掴みたいと、黙り込んで そんなふうに何十年も過ごしてきたことに気付かされる 確かに、食うには困っていない しかし、これは幸せなことなのか

更新日: 2018/09/05
いちにいさんの感想

世の中の不条理を吟っている。 貧乏人は生きるだけでも戦争だ。子ども3人が病気で死んだ。やっと、成人した子が23歳の若さで、戦地に出征する。何という不条理だ!金持ちは何処までいっても金持ちなのだ。軽い病気や怪我で病院の世話にすぐなれる。出征などしない。死ぬのは決まって貧乏人なのだ。 人間の運命はどこで決まるのだろうか?貧乏人に生まれる原罪は何か?前世の因縁なのか?考えれば考えるほど不思議なのである。