「刺青」の感想
刺青
しせい
初出:「オール讀物」文藝春秋新社、1947(昭和22)年12月号

富田常雄

分量:約28
書き出し:ミチは他の女性の様に銭湯へ行くのに、金盥《かなだらい》やセルロイドの桶《おけ》なぞに諸道具を入れて抱えて行く様な真似はしない。手拭《てぬぐい》一本に真白な外国のシャボンを入れた石鹸函《せっけんばこ》だけを持って行くだけなのだ。だから、今夜も、ひょっとすると夜明かしかも知れぬ勇を待ち切れずに読みさしの小説本を抛《ほう》り出して、玩具の様に小さな、朱塗りに貝をちりばめた鏡台から石鹸函を取り上げて、素肌...
更新日: 2024/10/04
8ce1e1ed689eさんの感想

こんなカストリ感満載の作品も書かれるんですね、意外

更新日: 2022/05/19
acf6f4ff1b74さんの感想

この作者は「面」とこの「刺青」で直木賞とってるんですよね。

更新日: 2019/10/28
19双之川喜41さんの感想

 18歳の女は  女郎蜘蛛 と 唐子(からこ)の刺青を している 、独身の三助は  その女を 眺めるだけで 手は出さない。 それに付け込み  女は 頻繁に 金をせびる。 誤解した 女のヒモ男は  嫉妬に狂って  三助の働く  風呂屋に乗り込み  とんでもないことをしでかす。心の動きは よく描かれていると思った。

更新日: 2019/10/28
びたちょこさんの感想

刺青に対する執着、憧れが如実に表されているように感じました。 三助として女体も刺青も見慣れていた藤三をも魅了したそれは、一体いかほどだったのでしょう。 最期、死を彩る時に唐子が生きたという皮肉すらも、どこか耽美的な美しさを覚えました。