「椋のミハイロ」の感想
椋のミハイロ
むくのミハイロ

二葉亭四迷

分量:約16
書き出し:鉄道工事も既《も》う竣《をは》つた。請負人《うけおひにん》は払ふべき手間《てま》を払ひ、胡魔化《ごまか》される丈け胡魔化してカスリを取り、労働者は皆一度に己《おの》が村々へ帰ることになつた。路端《みちばた》の飯屋《めしや》は昼前の大繁昌《おほはんじやう》で、ビスケットを袋に詰める者もあれば、土産《みやげ》にウォットカを買ふ者もあり、又は其場で飲んで了《しま》ふ者もある。それから上着を畳んで、肩へ投...
更新日: 2020/08/24
19双之川喜41さんの感想

 仲間内では 椋(むく)と 呼ばれている男は 頭が少々 不自由なので みんなからは 尊敬されているというわけではなかった。都会に 出て来て 煉瓦造りの 下働きのような 仕事にありつき なんとか 生きていけることには なった。そこに働いていた女に 密かに想いを寄せるけど ある日 女は突然いなくなってしまった。椋は 女がいなくなった理由を  理解できない。そのことで 仲間から からかいの 対象となる。存外 そこそこ 可愛がられて いるようでもあるのが 読み手の 救いかもしれない。