二葉亭四迷
仲間内では 椋(むく)と 呼ばれている男は 頭が少々 不自由なので みんなからは 尊敬されているというわけではなかった。都会に 出て来て 煉瓦造りの 下働きのような 仕事にありつき なんとか 生きていけることには なった。そこに働いていた女に 密かに想いを寄せるけど ある日 女は突然いなくなってしまった。椋は 女がいなくなった理由を 理解できない。そのことで 仲間から からかいの 対象となる。存外 そこそこ 可愛がられて いるようでもあるのが 読み手の 救いかもしれない。