「阪神見聞録」の感想
阪神見聞録
はんしんけんぶんろく
初出:「文藝春秋」文藝春秋社、1925(大正14)年10月号

谷崎潤一郎

分量:約8
書き出し:○大阪の人は電車の中で、平氣で子供に小便をさせる人種である、——と、かう云つたらば東京人は驚くだらうが、此れは嘘でも何でもない。事實私はさう云ふ光景を二度も見てゐる。尤も市内電車ではなく、二度とも阪急電車であつたが、此の阪急が大阪附近の電車の中で一番客種がいいと云ふに至つては、更に吃驚せざるを得ない。一度は何でも、寶塚で菊五郎の道成寺を見た歸り途の、滿員の電車の中だった。車臺の中央の吊り革にぶら下...
更新日: 2022/02/13
19双之川喜41さんの感想

 これは 大正の頃の話で 谷崎は 大阪人は上等ではないと言う。例えば 車中で 子供に用便させる。網棚に 乳飲み子を乗せる。東京人は 知らぬ人に話しかけることは めったにないけど 大阪人は違う。 谷崎が 温泉の共同風呂に入っていたら 一旦出た男が 入り直して 顔を 見に来たという。座席を詰めない。その当時 梅田では 車中に 夕刊を売りに来るのに 普通に 平気で 見知らぬ人から 借りて読む。谷崎は 憤慨(糞害)していると 感じたのである。

更新日: 2021/09/12
阿波のケンさん36さんの感想

大正14年の作品だが作者によると大阪人は東京の人と比べて極めて下品であるとしている。そうだったのであろう。