これは 大正の頃の話で 谷崎は 大阪人は上等ではないと言う。例えば 車中で 子供に用便させる。網棚に 乳飲み子を乗せる。東京人は 知らぬ人に話しかけることは めったにないけど 大阪人は違う。 谷崎が 温泉の共同風呂に入っていたら 一旦出た男が 入り直して 顔を 見に来たという。座席を詰めない。その当時 梅田では 車中に 夕刊を売りに来るのに 普通に 平気で 見知らぬ人から 借りて読む。谷崎は 憤慨(糞害)していると 感じたのである。
大正14年の作品だが作者によると大阪人は東京の人と比べて極めて下品であるとしている。そうだったのであろう。