「国語学と国語教育」の感想
国語学と国語教育
こくごがくとこくごきょういく
初出:「文教の朝鮮 第一七九号」朝鮮総督府、1940(昭和15)年7月

時枝誠記

分量:約10
書き出し:総督府の森田編修官から、国語教育について国語学の立場から何か書けと云ふ依頼を受けたのであるが、元来朝鮮に於ける国語教育の実践的な仕事に全然携つて居ない私は、国語教育それ自体に就いて云々する資格を持ち合せて居ない。しかし国語について絶えず関心を持ち、学生に対してもその方面の研究と興味とを喚起する様に心懸けて居る私としては、国語教育乃至国語問題と、私の研究との関連については、絶えず注意を怠つて居ないつ...
更新日: 2018/01/28
75dd8d6624fcさんの感想

現実と乖離した国語学と、それを実直に教授する国語問題の孕む問題点を端的にまとめている。国語という日本語の性質について、普遍性を欠いた民族言語であるとしているものの、適材適所言葉を衣服のように実用する方法を説き、皇民化政策に適用していることがわかる。 現代の国語教育問題に通用するリベラルな思想のもちぬしであったことが伺える名文である。