「母を恋うる記」の感想
母を恋うる記
ははをこうるき
初出:「大阪毎日新聞 夕刊」1919(大正8)年1月18日~2月19日

谷崎潤一郎

分量:約51
書き出し:いにしへに恋ふる鳥かもゆづる葉の三井の上よりなき渡り行く———万葉集———………空はどんよりと曇って居るけれど、月は深い雲の奥に呑《の》まれて居るけれど、それでも何処《どこ》からか光が洩《も》れて来るのであろう、外《と》の面《も》は白々と明るくなって居るのである。その明るさは、明るいと思えば可なり明るいようで、路《みち》ばたの小石までがはっきりと見えるほどでありながら、何だか眼《め》の前がもやもや...
更新日: 2022/05/19
阿波のケンさんさんの感想

何とも奇妙な物語だ。元は日本橋のボンが貧乏し母をたずねて月夜の海岸をひた歩くという夢物語だがその神秘性に一気に引き込まれる。