文豪の商売道具である「文房具」には、一家言ありと思っていましたが、谷崎先生の文房具に対する拘りは、先生が作品を産み出される過程に則されたものであることが、良く分かりました。愚生などは、大抵スタイルから入りたくなるのですが、自分に適した道具を使わないと、良いパフォーマンスが出来ないことを確認させて頂きました。
読みやすく、論理の明晰な文章。これを読むと、真似で毛筆を使ったり字を大きく太くしたくなる。
世界的な 文学賞の 候補にもなった谷崎の 創作活動の最前線の秘密を 解き明かしている。同氏は 遅筆なので 読み返したり 歩き回ったり 茶を飲んだり 煙草を一服したりして 考えを めぐらしながら 文章を ひねり出す。おまけに 佐藤春夫のように 字を 桝目いっぱいに 大きく書く 癖があるので 和紙に 毛筆を用いて 執筆するという。原稿用紙を作成するために 版木を 鞄に忍ばせたりすることも あったらしい。文豪 筆を選ぶということかな。
さすが。作家は文房具にこだわり尽くしている
万年筆の長所を活かせない作家 興味深い考察だ 遅筆で筆圧が大きい 毛筆が似合う作家だ ワープロやパーソナルコンピューターの登場に作家先生は果たして如何な感想を示すことか? キーボードを叩きつける姿が想像できる。あとはディスプレイをじっと凝視したまま固まっている姿が。