柔道と拳闘の転がり試合
じゅうどうとけんとうのころがりじあい
初出:「少年倶楽部」講談社、1935(昭和10)年1月分量:約11分
書き出し:いどむ仁王《におう》!「日本人の柔道《じゅうどう》なんて、あれは小人の蹴合《けあ》いみたいなものさ。ほんとに人がぽんぽん投げられるものか。まして、われわれアメリカ人のこの堂々たる重いからだが、ちッぽけな腕《うで》で投げられるはずがないよ。」「ところが、モンクス。あの柔道の教師トミタの道場には、アメリカ人の弟子《でし》も相当あるぜ。」「ふん、そりゃものずきだな。一つおれの鉄腕《てつわん》でのばしてや...