尾崎士郎
倦怠感を 通り越して 嫌悪感寸前にある 壊れかかった夫婦が 交尾しつつ 清流を 流れ下る河鹿を 目撃し なんとなく 神々しいものを感じる。まるで 自分たちを 投影してみせたかのような 河鹿の 描写に 並々ならぬ 巧妙さを 見た。