「氷島の漁夫」の感想
氷島の漁夫
ひょうとうのぎょふ

01 氷島の漁夫

01 ひょうとうのぎょふ初出:「近代西洋文藝叢書第十一冊 氷島の漁夫附埃及行」博文館、1916(大正5)年7月23日

吉江喬松

分量:約372
書き出し:第一編一恐ろしく肩幅の廣い五人の男が、鹹氣と海との臭ひのする或る薄暗い家のやうななかで、肱を突いて酒を飮んでゐた。彼等の身長にはひくすぎるその棲家は、一方の端へ末細りして、丁度大きな海鴎の空虚な腹のやうであつた。それは緩い、眠氣を催させる、單調ななげきを立てて、微かに搖れた。外界は確かに海と夜とであつた、が、それについては少しもわからなかつた。天井にたゞ一つだけ開けてあつた窓は木の蓋で閉されてゐた...
更新日: 2020/02/25
6209ba802951さんの感想

人間の心情が細やかに表現されていて、色いろ思わせる作品でした。