「呪はれた手」の感想
呪はれた手
のろはれたて

葛西善蔵

分量:約6
書き出し:彼が、机の上の原稿紙に向つてペンを動かしてゐると、細君が外からべそ面して、駈け込むやうに這入つて来た。五つになる二女がおい/\泣いてついて来た。——また継母にやり込められたのだ。困つたものだ——と彼は眉を寄せて、ペンを置いて、細君がおろ/\声して、例のヒステリー声して、訴へるのを聴いた。それは今朝、彼の八つになる長女が、学校へ行く前に、継母の貰ひ子の十二になるお春と口争ひをしたのだ。その時長女は、...
更新日: 2025/02/03
3c1e6f602dd1さんの感想

娘を打った手と書く手は同じような呪われた手なのであろうか。

更新日: 2022/10/09
e4c0eb387665さんの感想

もうひと展開欲しかった。そうすればこの作品が今も変わらぬ日本の庶民生活の實相というか、嫡出か非嫡出かで縺れたり、余裕なき経済生活で愛憎の葛藤があったり、或いは痛ましい事件になりかねない背景のデッサンで終わらなかったはず。それでも当時の時代を思わせるやっさもっさの世相を感じるに十分だし、「進展地」を求めて北海道移住が活字になっていたことも興味深い。映画『誰も知らない』『万引き家族』の監督なら特別のプロットを考えそうな。しかしちょっとした動作の描写に心理的な動きが読み取れる表現力は並の物ではない。見えるものしか見ることができなくなった現今の日本語社会生活を反省もさせられる。...こんな読み方もできる。

更新日: 2022/09/09
0c2892c2e65fさんの感想

情けない、情けないが、致し方ない自己作家の自嘲…

更新日: 2022/07/25
1d28328c9d10さんの感想

本当に意気地が無いのはこんな事をする男かも。 しみじみ思う。

更新日: 2022/07/23
阿波のケンさんさんの感想

売れない作家の悲哀に満ちた日常の出来事が綴られている。