「根岸庵訪問の記」の感想
根岸庵訪問の記
ねぎしあんほうもんのき
初出:「俳星 第二卷第一號」俳星発行所、1901(明治34)年3月12日

伊藤左千夫

分量:約6
書き出し:近来不良勝なる先生の病情片時も心にかからぬ事はない。日本新聞に墨汁一滴が出る様になってから猶一層である。或は喜び或は悲み日毎に心を労しているいくらか文章に勢が見えて元気なことなどの出た日には。これ位ならばなどと心細い中にも少しく胸が休まるような感じがするものの実際は先生の病情少しも文章の上では推測が出来ないのが普通であるのだ。歌の会俳句の会すべてを止めて余り人にこられては困ると云うようになってより...
更新日: 2025/02/28
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  正岡子規の 根岸の庵を 訪れたものか それとも 訪問を 遠慮 すべきか 左千夫は 果てしなく 逡巡する。子規の 居宅を それとなく 覗き込んだりして 下駄先の 向きで 先客の 有無を 判じ 何回も 勝手しったる 先生の 家の 周辺を 挙動不審者の ように 歩き 疲れはてる。先生の 謦咳には 触れたいし もしも 病身の 先生に 差し障りが あると そのことが きもちに 重く のしかかる。 敬愛する 子規の 弟子としては 訪問 とはいえ 容易なことでは 無いのが 窺われる。