坂口安吾
何とも、しょーもない人間存在が、短く淡々と綴られている。悲しいね。この世なんぞ、そんなもんだ。と、思わせるけっこう凄い小品だと思う。
短い話のなかで、戦争から受傷して帰ってきた兵士に対する周囲の人間による冷たい態度が現実世界の虚しさを、そして最後の一行が生きる人間が持つ感情の柔らかさと強さを簡潔に伝えている。
せつない、セツナイ、そして切ない!