「海の中にて」の感想
海の中にて
うみのなかにて
初出:「大觀」1918(大正7)年7月号

菊池寛

分量:約23
書き出し:二人の生活は、八月に入つてから、愈々困憊の極に達して居た。来る日も、来る日も彼等の生活は陰惨な影に閉ざされて居た。敬吉には、おくみの存在が現在の暗いじめ/\とした世界と、明るい晴々とした自由な世界とを、遮ぎつて居る障壁のやうに、思はれる日が多くなつた。おくみの羸弱《かよわ》い手が、自分の頸の廻りに、纏ひ附いて居る為に、※けば※くほど、深味へ陥ちて行くやうに思はれてしやうがなかつた。そんな度に、彼は...
更新日: 2019/11/09
19双之川喜41さんの感想

 学校の宿直室に 若い芸者を引っ張り込んだのを  校長の奥さんに 目撃され  田舎のことでもあるので  騒ぎとなり  二人は 東京に逃避行を 決め込むけど  閉塞状況を 突破することができずに 入水自殺に いたる。 生き残った男に  妙な 安堵感が湧いてくるなど 気持ちの動きが 巧みに描かれている。