「秋の岐蘇路」の感想
秋の岐蘇路
あきのきそじ
初出:「文藝倶樂部 定期増刊 月と露」1903(明治36)年10月

田山花袋

分量:約34
書き出し:一大井《おほゐ》、中津川《なかつがは》の諸驛を過ぎて、次第に木曾の翠微《すゐび》に近《ちかづ》けるは、九月も早《はや》盡きんとして、秋風《しうふう》客衣《かくい》に遍《あま》ねく、虫聲路傍に喞々《しよく/\》たるの頃なりき。あゝわが吟懷、いかに久しくこの木曾の溪山に向ひて馳《は》せたりけむ。名所圖繪を繙《ひもと》きて、幼き心に天下またこの好山水《かうさんすゐ》ありやと夢みしは昔、長じて人の其山水を...
更新日: 2025/02/05
65c8aadc88adさんの感想

雙鬼 謂うところの 岐蘇路は 今でこそ 歩きやすく 整備 されているけど 当時は 道幅は せばまり 道の 痕跡 さえ さだかならぬは 常で あったときく。それでも 夏には 盆踊りの 輪が 幾重にも 出来上がり 近在から 押し寄せて来る 人波で みちを 賑わしている ことも あったり したようだ。今日の 邦人ならぬ 人びとの 訪れが 取って代わり そうぞうも つかない 人出には ただただ 驚嘆している。地球の いたるところから かの 路を 目指して 紅毛人などが 歩を 運ぶ という。この 盛況を 予想した 人たちは あまり いなかった かもしれないと 想った。