「二人の紅毛画家」の感想
二人の紅毛画家
ふたりのこうもうがか
初出:「文藝春秋 第五年第六號」文藝春秋社、1927(昭和2)年6月1日

芥川竜之介

分量:約1
書き出し:二人の紅毛畫家芥川龍之介ピカソはいつも城を攻めてゐる。ジアン・ダアクでなければ破れない城を。彼は或はこの城の破れないことを知つてゐるかも知れない。が、ひとり石火矢の下に剛情にもひとり城を攻めてゐる。かう云ふピカソを去つてマテイスを見る時、何か氣易さを感じるのは必しも僕一人ではあるまい。マテイスは海にヨツトを走らせてゐる。武器の音や煙硝の匂はそこからは少しも起つて來ない。唯桃色に白の縞のある三角の帆...
更新日: 2025/01/13
65c8aadc88adさんの感想

双喜 ピカソは いつも 城を 攻めている。ひとり 石火矢の もとに 強情にも 攻めている。マティスは 三角帆の ヨットを 走らせている。武器の赤 硝煙の 匂いは 立ちのぼらない。芥川の 採りたいのは ピカソである。兜の毛は 炎に 焼け 槍の柄は 折れた ピカソである。芥川の 立ち位置が 伝わってくる 文章と 想った。