私の亡くなった母親は 網元の娘だったせいか お袋 は 猫をあまり可愛がらなかった 。多分 散々 猫に魚をさらわれたからだと 私は 勝手に思い込んでいた。 その為か 猫を見ても 可愛いとも 思わない。 庄造が 先妻から 可愛がっていた猫を 取り戻されてしまうので 密かに猫に会いに行くけど 猫は 邪険な態度を見せるという話である。 猫好きであれば 猫の仕草の描写を 堪能するのであろうと感じた。
むっとした猫のにおいが立ち上がるような、何よりも猫を溺愛する男の話。 一匹の雌猫をめぐる男と男を取り巻く母と元嫁と今の嫁との心理戦・畳み掛けられる攻防戦がすごく面白かった。 あと当事の大阪言葉なのか、男の使うやんわりとしつつも抜け目ない言葉使いもしみじみ可笑しい。 猫も含めて三人のをんなの話やなと読後に思った。
関西弁がとても心地よく聞けて、凄く面白かった。 庄造がどうしようもない人で、母も含めると3人の女性に振り回される様子がコミカルで面白い。 その中でも品子が猫のリリーとの生活を通して、過去の至らなさを悔いたり、リリーに対する情愛を育んでいく様子が、ホッとするし、感動した。
おもしろかった!! 気が小さい、人が良いのは楽だから。 母親や女房の言われるままのヅクデナシ。 唯一相手になってくれた猫。 ところが、気持ちをわかってくれていると思っていた猫の最後のシーンの態度には、ざまぁねえ!とスカッとした。