「猫と庄造と二人のをんな」の感想
猫と庄造と二人のをんな
ねことしょうぞうとふたりのおんな
初出:「改造 新年号 第十八巻第一号」1936(昭和11)年1月1日

谷崎潤一郎

分量:約175
書き出し:福子さんどうぞゆるして下さい此の手紙雪ちやんの名借りましたけどほんたうは雪ちやんではありません、さう云ふたら無論貴女は私が誰だかお分りになつたでせうね、いえ/\貴女は此の手紙の封切つて開けたしゆん間「扨《さて》はあの女か」ともうちやんと気がおつきになるでせう、そしてきつと腹立てゝ、まあ失礼な、………友達の名前無断で使つて、私に手紙よこすとは何と云ふ厚かましい人と、お思ひになるでせう、でも福子さん察...
更新日: 2020/09/07
19双之川喜41さんの感想

 私の亡くなった母親は 網元の娘だったせいか お袋 は 猫をあまり可愛がらなかった 。多分  散々 猫に魚をさらわれたからだと 私は 勝手に思い込んでいた。 その為か 猫を見ても  可愛いとも 思わない。 庄造が 先妻から  可愛がっていた猫を 取り戻されてしまうので  密かに猫に会いに行くけど  猫は 邪険な態度を見せるという話である。 猫好きであれば  猫の仕草の描写を 堪能するのであろうと感じた。

更新日: 2020/04/25
五老ヶ岳さんの感想

むっとした猫のにおいが立ち上がるような、何よりも猫を溺愛する男の話。 一匹の雌猫をめぐる男と男を取り巻く母と元嫁と今の嫁との心理戦・畳み掛けられる攻防戦がすごく面白かった。 あと当事の大阪言葉なのか、男の使うやんわりとしつつも抜け目ない言葉使いもしみじみ可笑しい。 猫も含めて三人のをんなの話やなと読後に思った。

更新日: 2019/08/07
58670ebe546aさんの感想

関西弁がとても心地よく聞けて、凄く面白かった。 庄造がどうしようもない人で、母も含めると3人の女性に振り回される様子がコミカルで面白い。 その中でも品子が猫のリリーとの生活を通して、過去の至らなさを悔いたり、リリーに対する情愛を育んでいく様子が、ホッとするし、感動した。

更新日: 2019/08/05
6ed1fc493468さんの感想

おもしろかった!! 気が小さい、人が良いのは楽だから。 母親や女房の言われるままのヅクデナシ。 唯一相手になってくれた猫。 ところが、気持ちをわかってくれていると思っていた猫の最後のシーンの態度には、ざまぁねえ!とスカッとした。