「私から」の感想
私から
わたしから
初出:「民間伝承 第二号」民間伝承の会、1935(昭和10)年10月20日

柳田国男

分量:約1
書き出し:私から特に諸君に願つて置きたいのは、世話人も皆忙しい片手間だから、出来る限り手数を掛けぬやうに、協力して載きたいことである。会報の発送を以て会費の受取書に代へるといふのは私の提案だが、是は次の会費の受領まで会報をこちらへ預つて置き、まとめて送りさへすればよいことである。それがもとになつて退会する人も少しは出来るが一方にどしどし新らしい会員を作るやうにすれば、却つて其方が会の目的に合すると思ふ。(東...
更新日: 2022/02/11
cdd6f53e9284さんの感想

常民の生活史を明らかにしようとした柳田国男が、会報「民間伝承」を刊行し、民俗学をさらに深めようとしていたこの昭和10年、その頃、「遠野物語」を共に取材した水野葉舟は、怪奇趣味の方向に大きく舵を切って、怪談小説めいたものを幾つか書いたあと、ついにそれにも行き詰まり、千葉の片田舎に隠棲し沈黙にいたる。確かに、「遠野物語」には、そのような二面性はあるかもしれない。