「谷崎文学の代表作「細雪」」の感想
谷崎文学の代表作「細雪」
たにざきぶんがくのだいひょうさく「ささめゆき」
初出:「日本文学全集 16 谷崎潤一郎(二)付録月報」新潮社、1959(昭和34)年11月10日

佐藤春夫

分量:約4
書き出し:谷崎文学の代表作「細雪」佐藤春夫谷崎文学の特長はゆつたりとしたゆたかな風格の重厚なところにある。さながらに坦々たる都大路を行くやうなとでも云はうか。この特長は初期の作品にもよくあらはれてゐたが、その大成の姿を示したものがこの細雪ではあるまいか。その重厚に大らかなものに更にきめのこまかさを加へて、まことにめでたいものである。これは源氏物語の現代訳を試みたことによつて、本来の好い素質のうへに、古典の骨...
更新日: 2020/08/22
19双之川喜41さんの感想

 佐藤春夫の 細雪に対する批判は 楽屋裏を 知りすぎていて 舞台が面白くない というところに 在るらしい。谷崎文学の特徴は 風格が重厚で 源氏物語の現代訳から 骨法を学んだことに あると言う。欠点は常識的で 神韻に乏しく 鏡花 荷風のように 奇異の人ではなぃ。そうかもしれないと 想った。