「芥川竜之介の死」の感想
芥川竜之介の死
あくたがわりゅうのすけのし
初出:「改造 第九卷第九號」1927(昭和2)年9月号

萩原朔太郎

分量:約38
書き出し:1七月二十五日、自分は湯ヶ島温泉の落合樓に滯在してゐた。朝飯の膳に向つた時、女中がさりげない風でたづねた。「小説家の芥川といふ人を知つてゐますか?」「うん、知つてる。それがどうした?」「自殺しました。」「なに?」自分は吃驚して問ひかへした。自殺?芥川龍之介が?あり得べからざることだ。だが不思議に、どこかこの報傳の根柢には、否定し得ない確實性があるやうに思はれた。自分はさらに女中に命じて、念のために...
更新日: 2021/02/09
ヤー坊さんの感想

芥川と萩原、この二大天才の交友関係は興味深い。

更新日: 2020/09/01
19双之川喜41さんの感想

 東京の田端は 文士村と いわれたこともあり 文士等が 固まって 住んでいたとされていた。ある朝 芥川竜之介が 寝間着のままで 萩原朔太郎の自宅に 飛び込んで来て 興奮気味に 朔太郎の(郷土望景詩)なるものを 寝床の中で読みあげ そのまま 感激の余韻を 作者本人に 急遽 伝えに来たことが あったという。朔太郎に 言わせると 竜之介には 詩情を指向する傾向は あるけれど 生命の霊魂に 欠けると云う。朔太郎の目指す詩情と 竜之介のいうところのものとは 距たりが あるにしても 両者の通奏低音には 共通性があると想った。