「登山は冒険なり」の感想
登山は冒険なり
とざんはぼうけんなり
初出:「山 第一卷第三號」梓書房、1934(昭和9)年3月1日

河東碧梧桐

分量:約11
書き出し:役小角とか、行基菩薩などいう時代の、今から一千有余年の昔のことはともかく、近々三十年前位までは、大体に登山ということは、一種の冒険を意味していた。完全なテントがあるわけでなく、天気予報が聞けるでもなく、案内者という者も、土地の百姓か猟師の片手間に過ぎなかった。で、登山の興味は、やれ気宇を豁大するとか、塵気を一掃するとか、いろいろ理屈を並べるものの、その実、誰もが恐がって果し得ない冒険を遂行する好奇...
更新日: 2022/04/05
阿波のケンさんさんの感想

作者は正岡子規の弟子で詩人だが山登りもやったようだ。ここでは白山と黒部から白馬までの2つの登山について描かれている。相当危険な目に会っている。

更新日: 2020/02/27
さんの感想

本作品はタイトルどおり、登山のエッセイです。 修験道の開祖・役小角の話から始まり、著者の登山体験が語られていきます。 天気の急変で雨の中、案内者とも連れの人ともはぐれてしまったこと。 黒部から白馬を目指した道中が険しく、想定外の野宿になってしまったこと。 河東碧梧桐と言えば俳句ばかりかと思っていましたがエッセイも面白い! たまに旧字が出てきますが、文章は読みやすかったです。