「故郷」は 中国古来の 詩情が 完全に 近代文学に なっているという。同感である。また 童話のような 世界と 苦い 現実の世界の 潮境に 面白さが ひそむともいう。電子辞書の 読み上げ作品に 収録されたりして 愛読者は 結構 いるようには 感じるのである。
昭和31年だと、こちらも戦後の混乱からようやく一段落した頃だ。まだ文化大革命は先のことだが、東側陣営と西側とでは交流が細々になっていた。だからこそ過去の魯迅作品の翻訳を通じて得た手応えから、近代化に昇華しかけていた中国文学がどうなっているか、その後を知りたいけど、もう日本には最新情報が入って来づらくなっていたんだろうな。