「ふみたば」の感想
ふみたば
ふみたば
初出:「新青年」1926(大正15)年8月増刊号

ルヴェルモーリス

分量:約10
書き出し:創作家のランジェは、黙って、大きな卓机《デスク》から一束の手紙を取りだした。その文束《ふみたば》は真紅《まっか》なリボンで結《ゆわ》えてあった。「あなたは、これが要るんですか。どうしても取りかえそうと云うんですか」彼はおろおろ声でいった。が、マダム・ヴァンクールは何もいわずに肯《うな》ずいてみせた。「こうした要求が男の心にどんな傷手《いたで》を負わせるかということが、あなたに解りませんか」ランジェ...
更新日: 2021/09/29
19双之川喜41さんの感想

 作家である男は  女から 恋文の束を 取り戻されてしまう。 男は あの 手紙は  文学的価値の 高いものなので 恋文を 素材として 創作活動をするつもりだった ということを  それとなく  女の耳に 入るようにする。 それを知った  その昔の恋人は  どういう 行動に出たかと言う 洒落た短文である。