「無駄骨」の感想
無駄骨
むだぼね
初出:「新青年」1923(大正12)年8月号

ルヴェルモーリス

分量:約14
書き出し:そのジャン・ゴオテという男は、見たところ、ちっとも危険な犯罪者らしくなかった。年齢《とし》はちょっと見当がつかないが、弱そうな小柄の青年で、何だか子供の時分から病身で悩んで来たという風であった。ときどきそそっかしく鼻へあてる近眼鏡の蔭にさまよう眼付なんか、ほんとうに静かで柔和だった。叱られて怖々《おじおじ》している子供といった方が適当なくらいで、これが人殺しをした青年とはどうしても思えなかった。と...
更新日: 2022/02/15
19双之川喜41さんの感想

 鬱憤(うっぷん)を 晴らす為の 凶行だったけど 彼は 読みが浅かった。極貧の 私生児には 読み手は 知らず知らずのうちに 肩入れしてしまうので 結末を むかえて 痛い感じが 押し寄せて来る。モーリスは 筋立の名手と 思った。