「夏の葬列」の感想
夏の葬列
なつのそうれつ
初出:「ヒッチコック・マガジン 第四巻第九号」宝石社、1962(昭和37)年8月1日

山川方夫

分量:約13
書き出し:海岸の小さな町の駅に下りて、彼は、しばらくはものめずらしげにあたりを眺めていた。駅前の風景はすっかり変っていた。アーケードのついた明るいマーケットふうの通りができ、その道路も、固く鋪装《ほそう》されてしまっている。はだしのまま、砂利《じゃり》の多いこの道を駈《か》けて通学させられた小学生の頃《ころ》の自分を、急になまなましく彼は思い出した。あれは、戦争の末期だった。彼はいわゆる疎開児童として、この...
更新日: 2020/09/02
19双之川喜41さんの感想

 男は 学童疎開児だった頃 助けに来てくれた少女を 芋畑で 艦載機による 銃撃の下に 突き飛ばし 殺人を犯したと思い込み その後の 少女の 消息を聞かずに 疎開先の町を 去った。時を越えて 男が訪れた その町で 葬列に出会う。一人娘が 畑で機銃で撃たれて死んだので 気が触れてしまった老婆の 野辺の送りと 知る。私の誕生日は 後に 終戦記念日となったということもあり 切々と 痛い作品と思った。

更新日: 2020/04/20
ネモフィラさんの感想

再び訪れた事で、更に闇を抱えてしまう夏。

更新日: 2020/04/14
愚鈍者さんの感想

学生のころ、教科書でこれを見て、胸の中がモヤモヤとした……なんとも晴れない気持ちになった記憶がまた甦りました。 戦争時代の主人公の記憶、戦後成人男性となった主人公、夏の葬列……主人公に何があったのか。ぜひ読んで、そして、様々なイメージを描いて欲しいです。