「空家」の感想
空家
あきや
初出:「夜鳥」春陽堂、1928(昭和3)年6月23日

ルヴェルモーリス

分量:約13
書き出し:錠をこじあけて屋内《なか》へ入ると、彼はその扉《と》を要心ぶかく締めきって、じっと耳を澄ました。この家が空家《あきや》であることは前から知っていたが、今入ってみると、寂然《ひっそり》していてカタとの物音もないのと、あやめも分かぬ真の闇に、一種異様な気味わるさを感じた。一体、今夜のように、人がいてくれなければいいという願望《ねがい》と、そうした静寂の不気味さを同時に感じたということは、彼としてはこれ...
更新日: 2022/02/13
19双之川喜41さんの感想

 読み手 自身の 心臓の鼓動が 自ら 聴き取れるような 緊迫感に あふれる 描写力である。著者と 共に 空き巣に 忍び込む感が 半端なく ドギマギしてしまう。窃盗だけでは すまないのかと思ったらそうではなかった。