「情状酌量」の感想
情状酌量
じょうじょうしゃくりょう
初出:「新青年」1923(大正12)年8月号

ルヴェルモーリス

分量:約17
書き出し:フランソアズは倅《せがれ》が捕縛されたということを新聞で読んでぎょっとした。けれど、初めのうちはとても真実と思えなかった。それはあまりに途方もない出来事であったから。可愛い倅はごく内気な律儀者で、こないだの復活祭の休暇《やすみ》には、彼女の許へ帰省していた。そして隊へ帰って行ってからまだ一月と経たぬのに、その者が賊を働いた上に殺人罪を犯したということがどうして信じられよう。倅が兵隊服を着て、あのま...
更新日: 2024/04/29
19双之川喜41さんの感想

 兵営で 最愛の倅は 人を殺して 金を盗んだ。母親は 罰を軽くするような 特別の事情があれば 死刑には ならないだろうと 弁護士から 言われた。そこで 法廷での 渾身の 母親の証言で 倅は 死刑になることは なかった。どうやって 死刑を 免れたか 謎解きの ような 筋立てである。触れられたくない 話題を 避ける為の 母親の 心持ちの 描写に 書き手は 冴えを見せると 感じた。

更新日: 2022/01/12
0c2892c2e65fさんの感想

愚かなる母の愛なり