「麦畑」の感想
麦畑
むぎばたけ
初出:「夜鳥」春陽堂、1928(昭和3)年6月23日

ルヴェルモーリス

分量:約11
書き出し:ジャン・マデックは、緩《ゆっ》くり調子をとってさっくさっくと鎌を打ちこんでゆくと、麦穂は末端《はし》をふるわせ、さらさらと絹ずれのような音を立てつつ素直に伏《ふせ》るのであった。ジャンは歩調を按排《あんばい》しながら、器用な手捌きで前へ前へと刈りこんで行った。背《うし》ろには刈られたあとの畑が鳶色の地肌を現わし、そのところどころに小石原があって、褐色になった麦藁が厚く毛羽立っていた。年|老《と》っ...
更新日: 2022/03/31
19双之川喜41さんの感想

 地主の旦那様と ジャンの女房が 不倫関係に あることを 薄々 気づいたジャンは 林檎の樹の下で 二人が 取り込み中に 征伐するけど すっとぼけぶりが 面白い。著者は 筋立ての人だが ちらっと 詩味が 漏れて来て ときに 愉しませて くれるので 楽しいと 想った。