「闇と寂寞」の感想
闇と寂寞
やみとじゃくまく
初出:「新青年」1927(昭和2)年6月号

ルヴェルモーリス

分量:約11
書き出し:彼等は三人とも老ぼれ、衰えて、見るも惨めな有様であった。女は二本の撞木杖《しゅもくづえ》にすがって、やっとのことで歩いていた。一人の男は、両手を前へ突きだして、指をひろげて、眼は堅くつぶっていた。盲目なのだ。もう一人の男は、頑固《かたくな》な相好で顔をうつむけ、身内の方々に苦しいところでもあるらしく、不安な眼つきをして、いつも黙りこんで二人のあとにとぼとぼとくっついていた。これは唖《おうし》なのだ...
更新日: 2025/05/01
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941   表題の 意味は 視力障害者と 聾唖者を 表す。見るも 憐れな 互いに 助け あって 生き抜いてきた 三人組みの 乞食達は 老衰により 長女が 急死したので 残された者は 哀しいことに 弟達が 二人と なってしまう。現実を 受け止め られずに 手酷い 衝撃を 受けた 結果 兄弟は さまざまな 幻覚や 幻聴に 責め立てられる。著者の 恐怖感に 充ちた 心理描写が 巧である。高齢者が 読むと 身につまされ 泪なくしては 読み進めないように 感じた。モーリスは ときに 高みに 達した 優れた 作品を 世に 送り出して くれるので 感謝の 極みであると 想った。

更新日: 2024/10/25
8eb05d040692さんの感想

救いのない話。 暗闇と恐怖に呑み込まれた結末は悲惨なもの。