「幸田文さんと神仙道」の感想
幸田文さんと神仙道
こうだあやさんとしんせんどう
初出:「幸田文全集第六巻月報」中央公論社、1959(昭和34)年1月

中谷宇吉郎

分量:約3
書き出し:私は、小林勇君につれられて、二回ばかり小石川のお宅へ伺い、露伴先生にお目にかかったことがある。文さんにも、その時初めて会った。露伴先生は、科学に非常に興味をもたれ、というよりも、先生自身が高次元の科学者であったという方がよいかもしれないが、私などの話にも、熱心に耳を傾けられた。その話は『露伴先生と科学』に一度書いたことがある。私には、露伴先生が、明治以後の日本では、独自の人のように思われる。博学と...
更新日: 2022/03/11
ハルチロさんの感想

著者である中谷先生は、物理学者である。理学者である中谷先生は、恐らく現実主義者であると思う。その先生が、『神仙道』に肯定的に触れられている文章に接しられたことは、私としては収穫でした。『幸田文』女史は、「幸田露伴」先生の次女です。幸田露伴先生が、道教ーー中国の神仙道と目される民間宗教ーーの研究をなされていたことを思うと、次女の文女史も、神仙の素質のようなものを持たれていたのかもしれません。