「桃林堂の砂糖づけ」の感想
桃林堂の砂糖づけ
とうりんどうのさとうづけ
初出:「あまカラ 第118号」甘辛社、1961(昭和36)年6月5日

中谷宇吉郎

分量:約6
書き出し:シカゴに、フルーツ・ケーキをつくっている会社がある。菓子の名はサラ・リイといい、アメリカでも、一流品とされている。もっとも大量生産としての一流品である。そこの主人が、細君をつれて、先日、日本へ遊びに来た。シカゴにいた頃、家庭的に親しくしていたし、その後も娘たちをたいへん可愛がってくれていたので、大いに歓迎しようということになった。しかし厄介なことには、相手は非常な金持ちで、世界中を遊び廻るのが道楽...
更新日: 2024/03/18
時間旅行者さんの感想

アメリカのケーキの大会社と、日本の手仕事で作る砂糖づけ菓子店 それぞれ一流になった理由が会社のトップの姿からはっきり見えてくる 商品の良さを認める事ができる、そして最良の商品を届ける事を大切にするー これを疎かにして客に外方をむかれた店は今も多くある 今も両方ともにあり楽しむ事ができるのは、この方々のおかげかな

更新日: 2023/07/07
788b63c8a186さんの感想

桃林堂って有名な和菓子屋さんがどこかにあったよなぁと思って読み始めた数分後には商品のお取り寄せページを開いていた… このお店が令和の時代まで続いている理由がなんとなくわかる、そんな内容 現代だったなら日本の技術に驚いた外国人あるある話、のような形で雑にまとめられ消費されるエピソードかもしれないが、軽快ながら品性を感じさせる語り口のおかげで読後感が良いので読みやすかった