中谷宇吉郎
静かな十勝岳の徐々に明けてゆく美しい朝焼け、枝々に止まってさえずり歌っていた小鳥が飛び立つと、夜の間に降り積もっていた粉雪が舞い上がり、そしてまるで細かい花びらのように舞い散っていく。 中谷宇吉郎のこのような詩的な美意識が、彼の研究の基礎を固めているのだとしたら、まさに驚くべきことだ。