「なぞ」の感想
なぞ
なぞ

グリムヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール

分量:約10
書き出し:むかし、あるところに、ひとりの王子《おうじ》がおりました。王子は世《よ》のなかを歩きまわってみたくなりましたので、忠義《ちゅうぎ》な家来《けらい》をひとりだけつれてでかけました。ある日のこと、王子は、とある森のなかにはいりこみました。そのうちに、日がくれてきました。けれども、まだ宿屋《やどや》が見つかりません。それで王子は、今夜はどこで夜《よ》をあかしたものだろうかと、とほうにくれてしまいました。...
更新日: 2022/05/19
cdd6f53e9284さんの感想

立て続けに滅茶苦茶残酷なグリムの童話を読んできた目からすると、それほどの刺激はなかったお話だが、とは言え、大いに楽しめたことは確かな童話だった。 旅に出た王子が、旅先で魔女に会い、危ないところを切り抜けてある国に着いたところ、その国の王女が「謎解き姫」つまりクイズマニアで、出された謎々を解くのが趣味、もし王女が解けなければ彼女と結婚できるが、だいたいは解いてしまうので、その時は出題者の男は残酷な方法で処刑される。 結婚の条件として、謎解きとか、課された課題をクリアするとか、昔話には、よくある設定だと思うが、それほど世界の昔話に詳しくないのでとっさには思い付かないが、日本の話でいえば「かぐや姫」というところか。 しかし、比べてみると、この話、相当違和感がある。 こんな高慢で残酷な王女のどこが良くて結婚なんかする気になるのか、さっぱり分からない。 だいたい「謎」の意味自体も分からなかったが。 まだしも宿屋の娘とかの方がましだったのではないか。 とにかく、男たちの誘いを振り切って、結婚などせずに月の世界へと立ち去る「かぐや姫」にこよなく好感を抱いている日本人の身としては、ちょっと理解し難いお話ではありました。 まあ、グリムだから、なかなかね。