「暦」の感想
こよみ
初出:「新潮」1940(昭和15)年2月

壺井栄

分量:約148
書き出し:一「実枝《みい》、年忌《ねんき》の手紙出しといたか」奥の部屋で出勤前の身支度をしながらのクニ子の声がせかせかと聞えた。茶の間の実枝は赤い箸《はし》でたくあんを挾《はさ》み、わざとゆっくりと前歯で噛《か》みながら、「ん」と、どっちつかずの返事をした。「ん、じゃないでほんまに、まだ出しとらんじゃろ」紫紺色の袴《はかま》の後ろを引きずってもどかしい声で近づいてきた。いっしょに坐る朝食なのに実枝はいつでも...
更新日: 2022/09/29
f72dd25a6741さんの感想

これすごくいい話なのでみんな読んじゃいなよ。