山川方夫
後半の哲学的な思索に意表を突かれた。表面からでは伺い知れない思いを抱えながら人は生きている。
朝子(十七歳 )と 純(十六歳)は 落第して 将来を 悲観したため ラブホテルの 一室で 刃物を 使って 心中し 絶命してしまう。その二人が 筆談を 書き記していた 赤い手帖を 偶然 読むことになった 男は 純愛と 愛のようなもの 日常と 非日常について 思うこと しきりである。通俗小説のように 見せかけて 深い 企みを 秘そましてある 優れた作品だと 想った。