「赤い手帖」の感想
赤い手帖
あかいてちょう
初出:「ヒッチコック・マガジン 第四巻第六号」宝石社、1962(昭和37)年5月1日

山川方夫

分量:約17
書き出し:その夜は、彼はまったくついていなかった。木曜日で、彼の演出している帯ドラの一週間分の録音をしてしまう夜だった。だいたいがやっつけ仕事めいた番組だが、その夜の出来はことにひどかった。だれも口に出していわなかったにせよ、みんな、こんなのは最低以下さと内心で思っているのにちがいなかった。放送局を出たのは、それでも二時をまわっていた。同じ方角にかえるタレントやスタッフたちを一まとめにして、それぞれに車の手...
更新日: 2022/04/28
鍋焼きうどんさんの感想

後半の哲学的な思索に意表を突かれた。表面からでは伺い知れない思いを抱えながら人は生きている。

更新日: 2021/11/22
19双之川喜41さんの感想

 朝子(十七歳 )と 純(十六歳)は 落第して 将来を 悲観したため ラブホテルの 一室で 刃物を 使って 心中し 絶命してしまう。その二人が 筆談を 書き記していた 赤い手帖を 偶然 読むことになった 男は 純愛と 愛のようなもの 日常と 非日常について 思うこと しきりである。通俗小説のように 見せかけて 深い 企みを 秘そましてある 優れた作品だと 想った。