「暑くない夏」の感想
暑くない夏
あつくないなつ
初出:「朝日新聞(夕刊)」1962(昭和37)年7月1日

山川方夫

分量:約4
書き出し:「……夏が来たのね」女は、天井を見上げたままでいった。白い天井。白い壁。白いシーツ。女の顔も白い。「空を見ていると、わかるの。ついこないだまで、どんよりと空の濁《にご》った日ばかりがつづいてたわ。まるで、水に落ちたケント紙のような色の空だったわ。……それが、見てごらんなさい、あんな真青な色になって、むくむくした力こぶみたいな雲が見えるわ」女は声を落し、彼に笑いかけた。「もう、一年になるのね」うなず...
更新日: 2021/07/25
阿波のケンさん36さんの感想

今、この暑さでこそこの作品が実感できる。不治の病と夏を。