「室生犀星に与ふ」の感想
室生犀星に与ふ
むろうさいせいにあたう
初出:「新潮 第二十五年第一號」1928(昭和3)年1月号

萩原朔太郎

分量:約30
書き出し:室生君!君との友情を考へる時、僕は暗然たる涙を感ずる。だがそれは感傷でなく、もつと深い意味のものが、底から湧いてくるやうに思はれる。いかにしても、僕にはその意味が語りつくせない。だが力の及ぶだけ、貧しい表現をつくしてみよう。室生君!いかに過去に於て、僕が君の詩に魅惑されたか。君の「抒情小曲集」にある斷章や「ふるさと」の詩を、始めて北原白秋氏の雜誌で見た時に、僕は生來かつて知らない詩の幸福を味つた。...
更新日: 2024/05/07
19双之川喜41さんの感想

 室生犀星は 拾った縄の帯をして 遊郭に 乗り込んだりした。素っ裸で 腰に箒を挿し 手に 蝿叩きを 持って 借金取りに 立ち向かう。その陰に 隠された 「いじらしい心根」では 教養ある人間を目指し 自ら酒を廃した。文学と詩の 根本の相違は ここら辺りにあったようだ。芥川龍之介は この文章を読んで 「室生犀星を 的確に 言い尽くした」と漏らしたと言う。追悼文では 実社会においては 褒め称えるのが 約束事だけど おおかたの 顰蹙(ひんしゅく)を 買ったようである。

更新日: 2023/08/26
阿波のケンさんさんの感想

室生と萩原は分かりあえ無い事を分かっている関係なんだな。室生は若い頃、女性に対して獣の様な欲望と田舎者丸出しの自分の顔には大コンプレックスを持っていて思いを抱くロシア人混血の女に堪らず馬乗りになる事件を起こしたのだな。

更新日: 2021/08/27
34268b100e4fさんの感想

熱烈なラブレターのよう 初めて犀星の詩を読み心を囚われ会ったこともない犀星を慕ってた時の鮮烈な描写が特に好き

更新日: 2021/08/10
いちにいさんの感想

友情故の敵対。お互い相手に理想を求めている点、お互い利己主義だ。