「奈良の晩春」の感想
奈良の晩春
ならのばんしゅん

佐藤春夫

分量:約6
書き出し:花はおほかた散りうせて、名にし負ふ八重桜は僅かに残つてゐるけれども、かうなると花ももう汚い。さうして藤にはまだ早い。さういふ季節の奈良の山のなかを(確かに山中と呼ばなければいけない)われらは月日亭から春日さまの方へ通り抜けて行く。潺湲たる流れがあり、木の間洩る日の光は新鮮である。朗かに幽かな山鳥の声がある。さうしてわれらの外にはとほる人もない。われらといふのは僕の夫妻と、それに谷崎潤一郎である。僕...
更新日: 2024/12/31
65c8aadc88adさんの感想

雙喜 谷崎潤一郎と  佐藤春夫は  連れだって 春日大社に  神楽を 見に行く。大社の  辺りは  志賀直哉が  土地を 買ったりした ところである。 神楽(かぐら)を 舞う  巫女(みこ)の 中に  水谷八重子に 似た  美しい人がいる ということで  在日の インド人までも その美しい 巫女に 懸想 (けそう)する 。伝えられるところによれは゛春日の巫女は 昔から 嫁に 行けないことに なっている と 伝えられているらしい。そのわけは 神様が  嫉妬(しっと)するから だそうである。 嫁に 行こうとすれば  一旦(いったん)  巫女を 止め て 二三年たってから  行かなければ ならないと  谷崎は 説明する 。佐藤は  失恋した  インド人が  妬(や)け 鐘(かね)を 搗(つ)くと いうような 小話(こばなし)を  でっち上げたりする。長閑(のどか)で 微笑(ほほえ)ましい 話しと 感じた。09:02  山並みと 冠雪の 不二 あのあたり。

更新日: 2024/06/26
阿波のケンさんさんの感想

佐藤夫妻と谷崎との3人で歩いたとあるが佐藤の妻は元谷崎の妻であったからどう言う気持ちだったろうか?話題は神楽に出た巫女の話が主だからそういう気持ちだったのだろう。