「蚊帳」の感想
蚊帳
かや

織田作之助

分量:約7
書き出し:一彼の家は池の前にあった。蚊が多かった。新婚の夜、彼は妻と二人で蚊帳を釣った。永い恋仲だったのだ。蚊帳の中で螢を飛ばした。妻の白い体の上を、スイスイと青い灯があえかに飛んだ。痩せているくせに暑がりの妻は彼の前を恥しがらなかった。妻は彼より一つ歳上だった。彼の方がうぶらしく恥しがっていた。妻は池の風に汗を乾かしてから寝ついたが、明け方にはぐっしょり寝汗をかく日が多くなった。肺を悪くしたのだ。蚊帳の中...
更新日: 2022/10/14
鍋焼きうどんさんの感想

「死んだ人間にしてやれることは、約束を守ることだけ」重い言葉だ。

更新日: 2022/02/13
19双之川喜41さんの感想

 新婚の夜 二人で 蚊帳を吊った。新妻は 不治の病で 亡くなり 後妻も 同じ病で 苦しんでいる。街で拾った女の 体には 部屋に 蚊帳が 吊ってなかった こともあり 指一本 触れなかった。控えめな 詩味があると感じた。

更新日: 2021/11/01
いちにいさんの感想

昔の小説は、本当によく人が死ぬものだ。肺を患う。しかも、3人ともだ。生よりも死が身近なのだ。嘘臭い。全くもってペテンだ。人間って奴はもっと頑丈だ。そんなに簡単には死なない。夫婦の縁は意外に強いものぞ❗️